【フランス語B2必須スキル】小論文(argumentation)の書き方②

シャーモン=シュル=ロワール城 集落

前回はフランス語試験B2レベルで必須スキルとなるargumentationについて解説しました。

このargumentationとは何か、どのような流れで展開されるのかについて実例を交えて紹介しました。

前回に記事を読んで「argumentationとはこういうものか」とご理解いただけたかと思いますが、実際にいざ書いてみるとなった時どこから手を付ければいいか分かりません。

ということで今回は私が実際にargumentationを作るときの流れを紹介します。

これを読めば実際に自分でもargumentationを作れるようになります。

argumentationとは何だ?という方はこちらから前回の記事をご覧ください。



本論から考える

実際にargumentationを作るときに考えるときまず考えるべきなのは本論です。

前回も紹介しましたがargumentationとは小論文のことで自分の主張を論理的に説明する書き方のことです。

論理的に説明するために導入、本論、結論の順番に書くのがargumentationです。

「導入から書き始めるんじゃないの?」

と思われた方がいるかと思いますがまずは本論を考えて論理の方向性を決める必要があります。



実は本論の述べ方は大きく2つのパターンがあります。

1つは両方の視点を紹介する方法でもう1つは一方の視点のみ紹介する方法です。

例えば前回の「原子力発電は必要かどうか」という例ではメリットとデメリットを本論で紹介しました。

これは言い換えると原子力発電に賛成の視点と反対の視点の両方を紹介したことになります。

仮に賛成のみ紹介する、反対のみ紹介するとなった場合それは一方の視点のみ紹介する方法になります。

2つの方法のどちらで本論を書くべきか

両方の視点か片方の視点か、どちらの方法で本論を書けばいいかと迷ってしまいますが私は「どちらが詳しく書けるか」で決めます。

例えば「原子力発電は必要かどうか」というテーマを与えられた時、まず私はメリットとデメリットを箇条書きで書きます。

ほとんどの物事にはメリットとデメリットはそれぞれあるものです。

場合によってはメリットを言い換えるとデメリットになるということもあります。

とりあえずまずは思いつく限りメリットとデメリットを箇条書きで書いてみます。

その結果どちらか一方だけ極端に浮かぶのならばその視点のみ、どちらもほどほど書けたならば両方の視点を紹介する方法を取ります。

私はこのargumentationを100問以上解いてきましたが大体メリットとデメリットの両方を紹介する方法で書いています。

本論の内容は自分の情報量次第

とりあえず試験が始まったらテーマについてのメリットとデメリットを書きだしてみるのがまずするべきことですが、どれだけこのメリットとデメリットを書きだせるかは自身の情報量に大きく左右されます

自分がそのテーマについて詳しいだけメリットとデメリットも書けます。

ではどうやって情報量を増やせばいいのかというと、新聞を読むことです。

紙の新聞でもネットニュースでもいいですが、選り好みして読まないことが大事です。

何故なら試験は何をテーマにしてくるか分からないからです。

また、B2の読解問題は新聞記事を使ったものがよく出されます。

そのため普段から新聞を読み慣れていると読解問題も苦に感じなくなります。

本論が浮かばない時は?

とは言ってもまったく知らないテーマの問題が出てしまったらどうすればいいのか?

何も知らない、考えが浮かばないとなってしまったらもうお手上げです。

そこで使える方法が第三の本論の書き方です。

先ほどまで本論の書き方は両方の視点か片方の視点の2つだと言っていたではないか!!

と怒られそうですが、この第三の書き方は少しトリッキーなのであまりオススメしません。

比較する論理展開

その第三の方法とは比較する方法です。

今回の原子力発電で言えばフランスと日本の現状や取り組み、そのメリットとデメリットを比べる方法です。

フランスは今後増やす方針ですが日本は消極的と真逆の姿勢を取っています。

フランスは原子力発電を増やすことで温室効果ガスの排出量を減らし、火力発電の燃料も減らすというメリットがあります。

しかし原子力発電所が増えればその分事故やテロに遭う可能性が増えますし、放射性廃棄物の扱いもより深刻になります。

日本は原子力発電を増やさないことで事故や放射性廃棄物を抑えるメリットがありますが温室効果ガスを減らす別の対策を取らなければなりません。

このように立場が違えばメリットがデメリットに、デメリットがメリットになります。

言ってしまえば反対のことを言っているだけなので、少ない情報で多くの文を書くことができるようになります。

どうしても本論を書くネタが浮かばない時はこの方法を使うのもいいかもしれません。

本論が変われば導入も結論も変わる

これでどうにか本論では両方の視点か片方の視点か、はたまた比較で書くのかという部分が決まりました。

これでようやく書き出しになります。

なぜまず本論からだったのかというと、本論が3つのどの方法で書くかで導入も結論も変わるからです。

両方の視点で書くなら導入ではメリットとデメリットを紹介すると言って結論では両方を含めた自分の考えを述べます

片方の視点なら導入で例えば「原子力発電に賛成の立場からその根拠として環境、経済、生産性の視点からメリットを紹介します。」といった書き方になります。

比較の場合は「まずはフランスの原子力発電の現状とそれによるメリットとデメリットを紹介し、その後に日本を紹介します。」と書くことになります。

このようにどの方法で本論を書くかで変わってきてしまうのです。

導入の書き出しが浮かばない

ではいざ書くとなるとまずはテーマを紹介する第一文を考えなければいけません。

これは「最近温暖化の取り組みが話題になっている」というようなニュースを参考に使ってもいいですし、個人の経験から触れてもいいです。

どちらにしてもここは詳しく書く必要はないので1文で収まる程度でいいです。

正直採点においてそこまで重点を置かれていないのでじっくり考えなくていいですし、何度も解くうちにパッと思い浮かぶようになります。

結論はどう書けばいい?

結論は

本論をまとめる→自分の意見を述べる→次への展望を書く

の流れで書くことを前回の記事で紹介しました。

本論のまとめはすべてを事細かに書く必要はありません。

いくつか列挙して「こういういい所もあるけど、あのような悪い所もあるよね」と詳しいことは本論で十分に語ったので軽く触れるくらいでいいです。



自分の意見もそこまで長々と書く必要はありません。

2~3文くらいもあれば十分です。

両方の視点で本文を書いた場合は自分がいいと思った方を書き、そこからその考えをより深く考えていきたいと次への展望を書くとスムーズです。

今回私が取ったように第三の方法(再生可能エネルギー)が必要だと言ってそれについて考えるのを次への展望にするのもどっちつかずですが書きやすいです。

片方の視点で書いた場合は結論として自分は賛成(もしくは反対)だと意見を主張し、次はもう一方の視点にも注目したいということを次への展望とすればいいのでこちらも簡単です。

比較する場合は気になる一方を取り上げ、今後はそこを深堀することを次への展望にすればいいです。

まとめ

以上がargumentationの具体的な書き方です。

意外にも本論をまず考えることが最初にすることでした。

口頭試験ではいくつかあるテーマから論理の組み立てを制限時間内にしないといけないので、このメリットとデメリットの書き出しでどれが自分が得意な物を見極めるのかが大事なポイントとなります。

前回と今回の記事をしっかり読んで何度も問題を解いてしっかりと身につけて試験に臨みましょう。

それでは(^^)/~~~

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