【海外就職実体験】日本とフランスの有給休暇について比べてみたら相当違った

こんにちは(^O^)

私は日本で社会人として働いた後にフランスで就職したのですが、有給休暇の制度や考え方が日本とフランスとではかなり違うことにビックリしています。

ここでは国際データを使って日本とフランスの有給休暇についての違いを見つつ、それに対して私が実際にフランスで働いていて感じることを紹介します。

またフランス版のエクスペディアの記事でどのように紹介されているのかも登場します。

これを読めばリアルな違いが分かりますよ。


履歴書の書き方やフランス企業で感じたカルチャーショックなどを紹介しています。


今回使用するデータ

まず日本とフランスの有給休暇の違いについて紹介するにあたりエクスペディアが毎年発表しているデータを使用します。

このデータでは世界11ヶ国で調査したデータを紹介しています。

文章は日本に焦点を当てていますが、他の国と比べての日本とフランスはかけ離れていることが分かったのでそこに個人的な考えを含めて紹介します。

そのためまずは元のエクスペディアの記事を読んだ上で記事を読んでいただきたくと分かりやすいです。

今回引用する記事
https://www.expedia.co.jp/stories/vacation-deprivation2023


有給休暇の取得状況

この記事ではまず各国の有給休暇の状況を紹介しています。

有給休暇の取得率が高い順に表にまとめると以下の通りです。

 取得率 %取得日数支給日数
香港1082826
シンガポール951920
カナダ951819
フランス942931
ドイツ932729
イギリス932527
アメリカ921112
メキシコ881416
オーストラリア861821
ニュージーランド861821
日本631219

日本の有給休暇の取得率が低いことが分かります。


ここで日本とフランスを比べると有給休暇取得の状況はかなり違います。

取得日数はヨーロッパが多い傾向がありますが、日本と比べるとおよそ2倍以上の差があります。

フランスは4位ですが、取得日数だけで見ると一番多いです。

つまり、フランスは一番休みを取る一方で日本は一番休みを取らないということになります。


日本の有給休暇取得率が低い理由

どうして日本では有給休暇をあまり取らないのかについてもデータが出ています。

そのトップ3が

①人手不足などで仕事の都合上難しいから

②緊急時に取っておくため

③忙しすぎて休暇の計画を立てたり行く時間がないため

です。

私も日本で働いていたのですごく納得のできる理由だと感じました。

個人的には仕事でみんなが頑張っているのに自分だけ休むのは気が引けるのもありました。

そもそも仕事が忙しくてそれを手放して休もうという発想がなかったです。


休み不足を感じない日本人

しかし日本がこういった理由から一番有給休暇を取れていないにもかかわらず、休み不足を一番感じていないのは日本だというデータがあります。

 休み不足と感じていないと回答 %
日本47
ニュージーランド45
イギリス44
オーストラリア43
香港43
カナダ42
シンガポール38
メキシコ36
アメリカ35
フランス31
ドイツ16

日本ではおよそ半数近くが休みは足りていると感じている一方でフランスは3割にとどまっています。

ドイツもフランスと同じくらいの取得率にもかかわらず休みが足りないと一番言っているのが面白いですが、どちらの国も日本の倍以上の有給休暇を取っているのにまだ休みたいと感じていることになります。

休みが少ないのに足りていると感じる日本と休みが多いのに足りないと感じるフランス、ドイツという真逆の状態が見えます。


日本で休みが足りないと感じる割合が他よりも多いのは日本にはゴールデンウイークやお盆休みといった他の国にはないまとまった休みがあることや祝日が多いことが関係しているように思います。

また先ほど書いたようにそもそも有給休暇を取るという発想がないという人もいそうです。


毎月有給休暇を取得している割合

毎月有給休暇を取っている割合を見るとさらに面白いことが分かります。

 毎月有給休暇を取っている割合 %
日本32
香港27
シンガポール9
カナダ5
アメリカ5
イギリス4
メキシコ3
ニュージーランド3
フランス2
ドイツ2
オーストラリア2

日本は11ヶ国の中で一番毎月有給休暇を取得していると答えました。

一方フランスはドイツ、オーストラリアと並んで一番低いです。

とはいえ他の欧米の国も大差ないので日本や香港が有給休暇を短く取っていることを示しています。

これは大半の国は有給休暇は数週間や1カ月といった長期間で取る傾向があると言えます。


休暇でリフレッシュできたか

最後に直近の休暇でリフレッシュできたかの回答は以下のようになりました。

 リフレッシュできたと答えた割合 %
日本56
ニュージーランド56
オーストラリア54
カナダ53
イギリス51
シンガポール51
アメリカ44
ドイツ40
香港39
メキシコ38
フランス35

日本はニュージーランドと並んでリフレッシュできたと答えた割合が一番多いです。

一方でフランスは一番少ないという結果になりました。

質問は休暇なので有給休暇とは限りませんが、短い休みでリフレッシュできた日本と長い休みだけどリフレッシュできなかったフランスという逆の状態が見えます。


以上がエクスペディアの記事から日本とフランスを比べたものです。

扱ったデータはこれだけなのでそれぞれの国については傾向くらいしか言えませんが日本とフランスとでは有給休暇がかなり違うことが伝わればと思います。


フランスでの有給休暇

ここからは実際に私がフランスで働いていて感じる有給休暇について今回のデータに沿ってお話します。

まず有給休暇の取得率ですがフランスはかなり高いと働いていて感じます。

フランスで働いているとみんな有給休暇をよく使います

同僚はもちろん上司も遠慮なく取ります。

他の部署にお願い事で行っても有給休暇でいないと言われることもよくあります。

しかも数週間や1カ月休むこともよくあります。


責任者も平気でそういったことをするので日本人が感じるような仕事を理由に遠慮することはありません。

責任者がバカンスでいなくなるので部下も気兼ねなく休めるという空気があります。

緊急時に備えるという考えも日本ほどなく、病欠も有休を使わなくても補償が出るなど緊急時を有休に充てなくてもいいように制度があるのが理由として考えられます。


有休が有り余ってしまった私

私は日本で働いてからフランスで就職したので有給休暇の基本的な考え方は日本のままです。

休みは足りないと感じることもないですし、有休を使おうと考えることもありませんでした。

その結果、有休がかなり溜まってしまいました。

日本に1カ月一時帰国したりニュージーランドに2週間旅行したり有給休暇をそれなりに取っていたつもりだったのにそれでも余っていることにビックリしました。


人事から今年中に使い切るように言われたので余った有給休暇をどう使おうかと考えた結果選んだのは週休3日にすることでした。

まとまった休みよりもちょっとした連休が欲しいと考えてのことなのですが、まさに今回のデータの日本の傾向そのままでした。

実際にそのように取り始めると毎週3連休なのでかなり生活が充実しましたが、フランスでこのように休む人はいないので同僚からは病気か何かと心配されました。


3連休はかなりリフレッシュできますが、逆に1か月など長期休暇ではリフレッシュはできますが、やることがないとむしろ疲れるように感じました。

このことから日本人がどの国よりも休暇でリフレッシュできている理由が分かりました。


フランス版のエクスペディアを読んだら意外な結果が

このように日本人の私としてはフランスの有給休暇は日本以上に取りやすい環境にあると感じています。

その理由は上司も含めてみんな有休を取っているからです。

しかしそれは私の職場だけの話かもしれません。

ということで、フランス版のエクスペディアのデータを調べてみました。

参考にしたのはこちらです。

https://www.expedia.com/newsroom/frle-net-nest-pas-egal-au-brut-en-realite-les-francais-nont-que-21-jours-de-vacances-par-an

内容が日本語のものより1年前なのでズレが生じていますが、大まかな傾向は同じだろうと思います。


1年ズレたフランス版のデータでもフランスが一番有休取得率が高いです。

しかし有給休暇に満足しているのは71%に留まっています。

その理由は名目上の取得日数は29日ですが、実際は25日であること、しかもそのうち4日は子守りだったり病院に行くなどで使うので実質21日しか取れないからとのことです。

個人的には日本含めてどの国でもそういった私用で有休を取るのでそこは文句を言うところではないように感じます。


また、近年の物価上昇の影響からおよそ半数の回答者の生活にも影響が出ていると答え、11%の人が未使用の有休を給料に補填してほしいと交渉しています。


意外だったのが職場への感じ方です。

57%の回答者が人手不足で休みづらいと感じ、53%の人が結果有休をすべて使えなかったと答えています。

そして53%の人が有休を取ることへの罪悪感を職場に感じています。

こういった罪悪感は日本人が強く感じると思っていましたがフランス人もちゃんと感じるようです。


そして69%の回答者が日常的な休みよりもバカンスに幸せを感じており、38%の人は夏休みを取ると答えています。

このように日本のようにちょっとずつ有休を使うのではなくまとめて使う傾向があることが分かります。


まとめ

以上が日本とフランスの有給休暇事情と私の実体験でした。

思った以上にデータが自分に当てはまっていてビックリしました。

またフランス人の有給休暇への考え方も思っていたものとは違っていたので意外でした。

日本とフランスでは真逆の状態だからこそ日本から海外就職した私は持て余してしまうものですが、プライベートの時間を充実できるので海外就職してよかったと感じるポイントの一つです。

それでは(^^)/~~~



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