こんにちは(^O^)
今回でフランスのノートルダムの名が付く教会を紹介するコーナーも第五回を迎えました。
そして今回がいよいよ最終回です。
ただ教会を紹介するだけですぐ終わるかと思っていましたが、まさかここまで続くものとは自分でもびっくりしています。
あくまで私が実際に訪れた教会のみ紹介しているので実際にはこの何倍ものノートルダムの教会がフランスにあるのだろうと思います。
それではこれで最後になるのでご覧ください。
前回までの記事はこちらをご覧ください。
①ブール・カン・ブレス:ノートルダム・ドゥ・ラノンシアシオン大聖堂
Cathédrale Notre-Dame de l’Annonciation
ブール・カン・ブレスはローヌ・アルプス地方にある町です。
フランスの高級鶏「ブレス鶏」の産地として国内では有名で、街中のレストランでも食べることができます。
郊外にあるブルー修道院が観光の一番の見どころでブルゴーニュ地方で見られる模様付きの屋根の外観にゴシック様式の建築様式はとても見どころがあります。
この町のノートルダムは町の中心部にあります。
16世紀に建てられたこの教会は歴史文化遺産に登録されています。
ロマネスク様式とゴシック様式が取り入れられており70mもの高さがある鐘楼が入口上部に添えられています。
内部はグレー一色の壁で荘厳な雰囲気が感じられ、ステンドグラスは祭壇の背後にあります。
②リヨン:ノートルダム大聖堂
Basilique Notre Dame de Fourvière
続いてはフランス第二の都市であるリヨンです。
古代ローマ時代から発展した町は長い歴史の中で交易路の要として機能していたことから様々な地方の食材が流通した結果「美食の街」と呼ばれるようになりました。
その名にふさわしく名物料理もとても多く、フランス料理の発展に大きく貢献したフレンチ・シェフ「ポール・ボキューズ」の本店があるのもこの町です。
この町のノートルダムは旧市街からケーブルカーに乗って行くことができるフルヴィエールの丘の上にあります。
元々小さな教会があったところに現在の教会が建てられたのは19世紀と比較的新しく、ネオ・ゴシック様式とネオ・ビザンチン様式が取り入れられています。
四隅のそれぞれ塔がある外観をしており、すぐ隣に小さなチャペルがあります。
このチャペルの上には黄金のマリア像が祀られており、かつてペストの感染やプロイセンの進軍から街を守ってもらったとしてその感謝の意を示しています。
この黄金のマリア像を祀る際に町は停電してしまったが町の人たちがロウソクで街を照らしたことから毎年12月8日は「メルシー、マリー」と称して丘の下の教会からマリア像をこの教会まで運ぶ儀式が行われ、同時期に街中でイルミネーションを楽しむことができる「光の祭典」が行われます。
教会の内部は壁から天井に至るまで細かな装飾が施されており、ここまで派手な小食の教会はフランスでも少ないです。
壁にはこの町にキリスト教をもたらした伝説、ノアの方舟、ジャンヌダルクなどの逸話をモザイク画で表現した絵があります。
地下礼拝堂も他の教会よりも広く明るく、世界中のマリア像が展示されています。
③ナンシー:ナンシー大聖堂
Cathédrale Notre-Dame-de-l’Annonciation
ナンシーはフランス北東部にあるロレーヌ地方の中心都市です。
アールヌーボが開花した都市として知られており町の建物を見ると至る所でアールヌーボが取り入れられていることが分かります。
またサンタクロースのモデルとなった聖ニコラの遺体がこの地方に納められていることからクリスマスの時期には聖ニコラ祭りが行われます。
昔ながらのクリームを挟まないマカロンが有名な街でもあり訪問の際にはぜひ召し上がっていただきたいです。
この町のノートルダムは町の中央広場スタニスラス広場の近くにあります。
18世紀に建てられたバロック様式の教会で左右対称の鐘楼があることが特徴です。
教会内部は窓がそこまで大きくないことから薄暗い印象ですが、内容をよく見ると柵などにアールヌーボの特徴を見ることができます。
④ランス:ノートルダム大聖堂
Cathédrale Notre-Dame de Reims
シャンパンの産地として有名なシャンパーニュ地方の中心都市がランスです。
町の郊外にはブドウ畑が広がっており、ワインショップやドメーヌなどがあります。
また藤田嗣治が過ごした街として知られており、彼のチャペルも外れにあります。
この町のノートルダムは町の中心にあり、フランスの歴史においてとても大事な場所となっています。
初代フランス国王の時代から代々の国王の戴冠式はこのノートルダム大聖堂で行うことが通例となっているためです。
14世紀に完成したゴシック様式の傑作の一つとされており、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
正面から外観を見上げると歴代フランス国王の彫刻を見ることができます。
中に入って振り返ると上下二つの巨大なバラ窓が鮮やかな色をして輝いているのを見ることができます。
祭壇奥にはシャガールが作成したステンドグラスを見ることができます。
⑤リール:リール大聖堂
Cathédrale Notre-Dame de la Treille
お次は一気に北に飛んでベルギーに近い北の玄関口リールにある教会です。
ロンドンやベルギー行きの電車が通る場所で、毎年9月上旬には街をあげての大規模な蚤の市を開催することでも有名です。
またパリの空港など様々なところで名前が付けられている第五共和制最初の大統領シャルルドゴールが生まれた街としても知られています。
この街のノートルダムは旧市街の中心地にあります。
建築は19世紀に計画が始まり、完成が1999年と比較的新しい教会です。
ネオ・ゴシック様式を採用していますが、正面のファサードやそのステンドグラス、内部のオブジェなどモダン建築を感じられる部分を見ることができます。
高い天井や開放的な空間はどちらかと言えばベルギーで見られたものに似ているような印象を受けました。
⑥トゥールーズ:ノートルダム・ドゥ・ラ・ドゥラード教会
Église Notre-Dame de la Durade
フランス南西部のオキシタン地方の中心都市トゥールーズは建物に赤石を使っていることから別名「バラ色の町」と呼ばれています。
フランス四大河川の一つガロンヌ川の畔で発展した町でとても大きな街です。
産業としては航空宇宙関連がかなり盛んです。
この町のノートルダムは二つあります。
まず一つ目はガロンヌ川の近くにある小さな教会で、観光向けではないのですがたまたま見かけたので寄って見たところです。
起源は5世紀ととても古いものですが現在の教会は19世紀に建て直された新しいものです。
建築様式はネオクラシック様式を取り入れており、外観は6本の柱がある宮殿のように見えるためこれが教会だとは気づきにくいですが、上空から見ると建物全体で十字架の形をしています。
内部の装飾は壁から天井に至るまで細かく装飾が施されており外観とのギャップに驚かされます。
祭壇背後の壁画も他では見ない個性的な物ですが、祭壇には黒いマリア像が祀られています。
⑦トゥールーズ:ノートルダム・ドゥ・ラ・ダルバード教会
Église Notre Dame de la Dalbade
トゥールーズ二つ目のノートルダムは先ほどの教会より南にある旧市街の中にあります。
元々6世紀にできた教会があったが15世紀に火災によって焼失してしまったため15世紀に建て直したものが現在に残っています。
中世のゴシック様式を取り入れた教会ですが、入口の扉はルネッサンス様式が用いられ、その扉の上にある装飾画はセラミックが使われています。
内部の装飾はシンプルなものですが、天井に架かるアーチはこの街で見られるヤシの木のようになっています。
振り返るとパイプオルガンに縁どられたようにバラ窓を見ることができます。
⑧ルルド:ロザリオ聖堂
Basilique Notre Dame du Rosaire
同じくフランス南西部にあるルルドは小さい町ながらも年間600万人も訪れるカトリック最大の巡礼地とされています。
この記事のテーマである「ノートルダム=聖母マリア」においてかなり重要な場所とされており、実は計18回も聖母マリアがこの地に現れたとされています。
泉の側に現れるとその泉は病を治す力があると言い残し、その泉の近くに教会が建てられました。
その教会こそ今回紹介するロザリオ聖堂です。
この聖堂に限らず周囲一帯が聖域とされており、他の教会や施設が入っています。
19世紀に建てられた比較的新しいこの教会はローマ・ビザンティン様式を取り入れており、遠くから見るとシンデレラ城のようにいくつものとんがり屋根があるのが見ることができます。
外観と内装に数多くのモザイク画が施されており、それぞれ聖母マリアやキリスト教にまつわるものが描かれています。
実はこの聖堂は建物の下層部のことを指し、とんがり屋根があるところは「無原罪のお宿り聖堂」と呼ばれる別のチャペルになっています。
⑨ポワティエ:ノートルダム・ラ・グラン教会
Église Notre-Dame-la-Grande
長かったノートルダムシリーズもこれが最後になります。
最後は大西洋岸地方にあるポワティエです。
かつてイスラム教徒を撃退したポワティエの戦いやジャンヌダルクが裁判にかけられるなど様々な歴史が残されている街です。
町は小高い丘の上に形成されており、その頂上にこの町のノートルダムがあります。
12世紀に作られたロマネスク様式の教会で正面から見ると両サイドにとんがり屋根の尖塔があり、建物後方に鐘楼があります。
正面の壁には様々なレリーフが掘られており、キリストをはじめ、アダムとイブなども見ることができます。
中に入って驚かされるのは柱それぞれに模様が描かれていることです。
こういった装飾はオーヴェルニュ地方の教会で見つけることができますが、大西洋岸地方ではあまり見かけません。
まとめ
以上が私が実際に訪れたノートルダムの名が付く教会です。
5回に分けてようやく紹介し終わりました。
軽い気持ちで始めたものでしたがまさかここまでたくさんあるとは思わずびっくりしました。
実際にはこの何倍ものノートルダムがあるのだと思うととてつもない数になりそうです。
それほど聖母マリアに対する信仰が厚いということなのだと思いますし、リヨンでは聖母マリアに何度も町を救ってもらった、ルルドでは18回も聖母マリアが現れたなどそれぞれの町に聖母マリアに対する歴史があるのだと感じました。
みなさんもフランスの町を観光するときにノートルダムを見つけるかもしれませんね。
それでは(^^)/~~~
ノートルダムの紹介はこちらをチェック!!
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