フランスを含めたヨーロッパの多くの国では毎年9月の第三週末にヨーロッパ文化遺産の日というイベントを開催します。
これは普段は入れない施設に入ることができたり、入場料が割引もしくは無料になる日です。
様々な都市や施設でイベントが開催されますが、ここではリヨンのオススメスポットを紹介します。
これを読めばリヨンのオススメスポットだけでなく、お住まいや行きたい街の見学先を決める参考になります。
ヨーロッパ文化遺産の日とは?
ヨーロッパ文化遺産の日 Les Journées européennes du patrimoine (JEP)とは先述した通り、普段入れない施設を見学できたり、美術館などの入場料が割引もしくは無料になるイベントです。
その始まりは1984年、当時のフランス文化大臣ジャック・ラングが扉を開ける日La Journée Portes Ouvertesを提唱してフランス国内で始まりました。
翌年ヨーロッパ議会において彼が他の国に提唱したことでオランダを皮切りに他の国でもイベントが開催され、1991年にEUが協力することで50ヶ国が参加するようになりました。
最初にフランスで始めたのが9月の第三週の日曜日だったことから、そこからその週の土日で定着しました。
公共機関や国が管轄する施設は見学料が無料ですが、そうでないところは割引もしくは無料と施設によって異なります。
また毎年イベントに参加する施設が異なる場合もありますが、フランス国内だけでも毎年16000もの施設が参加しています。
フランスではこのイベントに合わせて文化遺産の保全を目的とした宝くじも実施しています。
このヨーロッパ文化遺産の日は毎年テーマが決まっており、2023年のヨーロッパの共通テーマは生きた遺産 Patrimoine vivantでした。
ヨーロッパ共通テーマは2017年から決めるようになりましたがフランスは1995年から行っており、現在は基本的にヨーロッパ共通テーマに沿うようになっています。
リヨンのオススメ見学スポット
ここからは私が実際にリヨンに住んでいたときに訪れた場所の中でオススメスポットを紹介します。
ここではこのイベントの時にしか見られないものに絞るため、普段から見学できる美術館などは除外します。
またここで紹介したものが毎年見学可能とは限らないため、参考程度にしていただきたく思います。
市庁舎
まず紹介するのは市庁舎です。
フランス第三の都市の政治の中心地である市庁舎はテロー広場の一角にあります。
日本の役所とは異なり一般の人が手続きなどで出入りができるようなところではないので基本的に中に入ることはできません。
ただしイベントがあるときは中庭や一部屋内も解放されます。
しかしこのヨーロッパ文化遺産の日では普段入れない部屋に入ることができます。
日本の役所のようなものだと思うと事務所のようなイメージですが、実際はご覧の通りです。
その部屋はまさに宮殿です。
もちろんすべてが日常業務で使う場所でもないですし、迎賓用の場所もあります。
しかしそれを差し引いてもこの豪華さはビックリです。
ここに入れるのはヨーロッパ文化遺産の日くらいなのでリヨンに限らず各都市の市庁舎に行ってみましょう。
セレスタン劇場
お次は市庁舎から南に進んだところにあるセレスタン劇場です。
舞台を見に行く場所ではありますが、ヨーロッパ文化遺産の日には一般公開されます。
同じ舞台がある施設としてオペラ座が市庁舎のすぐ向かいにあり、こちらのこのイベントで一般公開されるのですが、オペラ座は毎年春に独自に一般公開するイベントをしているためわざわざヨーロッパ文化遺産の日に行かなくても見に行く機会があります。
ということでここではセレスタン劇場について紹介します。
劇場内では舞台で使われた衣装が展示されていました。
そして劇場の目玉である舞台を眺めることもできました。
そして一番の魅力は舞台に立つことができることです。
普段劇場に行かない人にとって観客席から見る景色も珍しいのですが、舞台に立つことができるのはさらに貴重です。
県庁
お次は県庁です。
県庁というとフランス在住者は滞在許可証の更新でお世話になっているところで、他にも免許証など様々な手続きを行うところです。
リヨンの場合は近代的な建物でそれらの手続きをするのですが、実はそれは別館であり本館はすぐ近くにあります。
こちらも市庁舎と同じく普通は一般人は入ることができません。
しかしヨーロッパ文化遺産の日ならば入ることができるのです。
県庁に入るとまず見えたのが議会を行う部屋です。
背後にある絵画の存在感がすごいですが、ここで日々重要な会議が行われていると思うと背筋がピンとなってしまいます。
ホールから階段を上って二階に進みます。
二階はまたしても豪華な宮殿の部屋がありました。
最初の市庁舎よりも管轄区域が広い県庁なので豪華さも違います。
大広間はこれが県庁なのかと思えるほどの豪華さです。
何よりよかったのは私以外誰も見学者がおらず独り占めできたことです。
県庁は他の都市にもありますし、穴場なのでぜひ行ってみてください。
ブラッスリー・ジョージ
お次はなんとレストランです。
国鉄が走るペラーシュ駅南にあるレストランで1836年から続く老舗中の老舗で、リヨンでもかなり有名なところです。
私も一度食事をしに行ったことがありますが、ヨーロッパ文化遺産の日に見学できるということで行ってみました。
食事に行ったときは席に座って大人しく食事をして帰りましたが、見学なので内装をじっくり見て歩くことができますし、写真も撮り放題です(食事中のお客様もいたので迷惑にならない範囲で)。
創業者のジョージさんの胸像や
この町のシンボルのライオン、
オルゴールなんて物もあり、
従業員の作業スペースやキッチンまで見せてもらえました。
他にも二つの個室も見ることができました。
最後には自家製ビールについてのお話も聞くことができました。
レストランとしてだけではなく、歴史的建造物としても非常に価値があるのでオススメです。
図書館
最後は図書館です。
図書館は元々一般開放されているのでわざわざこのイベントに行かなくてもいいのではと思うかもしれません。
最近ではモダンな図書館もあるのでそれほど見応えがあるようにも思えませんが、古い図書館だったらどうでしょうか。
ハリーポッターに出てくるような雰囲気の図書館って素敵ではありませんか?
そこで私が訪れたのは世界遺産にも登録されている旧市街の図書館です。
ここは建物が古く、ヨーロッパ文化遺産の日に図書館員さんだけが使っている部屋などに入ることができました。
図書館というだけあってかなりの本がありますが、シャンデリアやそのインテリアに素敵な雰囲気を感じます。
他にもカンファレンスルームも見せてもらい、何も言わなければこれが図書館なんて思えません。
図書館はどの町にもあるので気になる方はぜひこれを機に行ってみてください。
まとめ
以上がヨーロッパ文化遺産の日に行くべきリヨンのオススメスポットです。
ヨーロッパは古い建物をそのまま残しているところが多く、公共機関などは普段気軽に入ることができないのでぜひこのイベントには町に繰り出しましょう。
これを参考にリヨン以外のフランスやヨーロッパの気になるところに行ってみてください。
それでは(^^)/~~~
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