フランスと日本の姉妹都市④

こんにちは(^O^)

日本の姉妹都市提携を結んでいるフランスの都市を紹介する記事第四弾です。

長らく続いてきたこのシリーズも今回が最後となります。

今回は南フランスを中心に日本のどの都市と姉妹都市なのか、どういった経緯で提携を結んだのかについて紹介します。

過去の記事はこちらをご覧ください。



①ヴォークリューズ県

まず一つ目はプロヴァンス地方にあるヴォークリューズ県です。

地中海へと続くローヌ川が流れる県でヨーロッパ最大級のゴシック建築である教皇庁があるアヴィニョンが中心都市となります。

他にも周囲を川で囲まれたアンティーブショップで有名なリル・シュル・ラ・ソルグといった都市もあります。


そんなヴォークリューズ県と姉妹都市提携を結んでいるのは栃木県です。

提携を結んだ経緯は東京で開催された「マロニエフェスティバル」にてフランスの航空会社であるエールフランスが栃木県に紹介したことがきっかけでした。

お互いに視察を行い、1989年に栃木県の文化施設「マロニエプラザ」のオープニングセレモニーにてヴォークリューズ県議長が出席、一緒にマロニエの木を植えて提携を行いました。

その後はアヴィニョンの文化イベントに栃木県の工芸家が出展したり高校生のホームステイなどを通じて交流を行っています。

②エクス・アン・プロヴァンス

続いてはエクス・アン・プロヴァンスです。

画家セザンヌの出生地で、彼が生きている間はこの町で彼の作品は受け入れられませんでしたが、彼の死後ようやく認められて町の美術館で彼の作品を見ることができます。

また噴水が町の至る所に設置されているのも特徴です。

カリソンと呼ばれるひし形のお菓子が銘菓でお土産の定番でもあります。


そんなエクス・アン・プロヴァンスと姉妹都市提携を結んでいるのは熊本市です。

提携を結んだのは2013年ですが、実は1980年代から民間団体により双方の交流が行われていました。

1992円に熊本市のとある能楽師がエクス・アン・プロヴァンスに能舞台を寄贈したことからより親密に交流が行われるようになり、熊本市が政令指定都市になるタイミングで提携を結びました。

このように提携を結ぶ前から30年以上も交流していたので提携を結んだのは必然だったと言えます。

③マルセイユ

お次はマルセイユです。

フランス第二の都市で地中海に面した港町です。

アフリカからの海の玄関口としても知られエキゾチックな雰囲気を感じることができます。

丘の上にある聖堂には海にまつわる船の模型などが展示されています。

漁業が盛んで日本でも知られているブイヤベースは漁師がその日獲れた魚を一緒に茹でて作ったスープが本来の姿です。


そんな大都市マルセイユと姉妹都市提携を結んでいるのは兵庫県神戸市です。

きっかけはマルセイユ市長が議会のために日本に来た際に神戸市に立ち寄り、お互いの市がそれぞれ古くから開けた港であるという共通点があることから提携の申し入れがあったことがきっかけでした。

そして1961年に提携を結びました。

2021年は提携60周年を迎え、マルセイユにて書道などの日本文化を紹介するイベントを開催しました。

④ニース

お次の都市はプロヴァンス地方からコートダジュール地方に移りニースです。

南フランスのリゾート地として青い海が広がるニースは夏になれば多くの観光客が押し寄せる人気の観光地です。

海沿いには高級ホテルやカジノが並ぶセレブな雰囲気がある一方で、内陸の旧市街では素朴な地元の景色が広がる二面性があります。

多くも画家もこの地に魅了されシャガールの美術館もあります。

また避寒地としてユネスコ世界遺産にも登録されました。


そんなニースと姉妹都市提携を結んでいるのは神奈川県鎌倉市です。

お互いに海もあり、歴史的な街並みも残る人気の観光地であるという点が共通していることから鎌倉市最初の姉妹都市として1966年に提携を結びました。

2016年には提携50周年を記念してニースにてセレモニーが開かれ、鎌倉市の木「ヤマザクラ」の植樹セレモニーを行いました。

⑤カンヌ

お次はカンヌです。

ニースと同じくコートダジュール地方屈指のリゾート地です。

何と言ってもカンヌ国際映画祭は世界的にも有名で日本の作品もこれまで受賞してきました。

丘に位置する旧市街は古い町並みが残され、頂上の博物館からは町と海が一望できます。


そんなカンヌと姉妹都市提携を結んでいるのは静岡市です。

もともとカンヌが日本で姉妹都市になるところを探しており、特に東京に近く海があるところを希望していたことから静岡市は提携の意向を示すようになりました。

その後静岡市長がカンヌを訪問し、その後カンヌからも視察が来て最終的に1991年にカンヌより市長が静岡市を訪れて提携となりました。

現在では静岡市で「シズオカ×カンヌウィーク(通称シズカン)」という静岡市とカンヌを掛け合わせたイベントを開催しています。

イベントではフランス料理やワインなどを販売するマルシェや屋外映画上映会などを行っています。

⑥ポー

お次はスペインに近いエリアにあるポーです。

町は高台の上にあるため駅からロープウェイに乗って町まで行きます。

スペインに近いことから天気がいいとピレネー山脈を眺めることができ、山脈を眺められるように遊歩道も作られています。

町にはアンリ4世が生まれたお城があり、ガイドツアーにて中を見学することができます。


そんなポーと姉妹都市提携を結んでいるのは山梨県の県庁所在地である甲府市です。

きっかけは甲府市への熱烈な申し出でした。

法務省教育課長や日仏学院長が地理的にも産業的にも共通しているところがあるからポーと提携してはどうかと提案しましたが当時の市長は就任したてで断りました。

その後もピレネー大学長やポー市広報部長の提携以来、ポーの図書館で日本文化を紹介する展示会にて甲府市を取り上げ、甲府市にポーへの視察の招待状が届き、ポー大学と山梨大学が学術交流をするなど多方面から提携の要望が入ったことから1975年にポーにて提携を結びました。

ここまで熱烈に姉妹都市になってほしいとお願いしてくるのも珍しいです。

⑦ピレネーオリアンタル県

お次はピレネーオリアンタル県です。

県ということで範囲がかなり広くなります。

ポーからもピレネー山脈は見えますが、それよりもすぐ近くにあるのがこの県です。

その中心都市にあるのがペルピニャンです。

町には南国らしいヤシの木が生い茂り、丘の上には王宮があります。

カタルーニャ文化を色濃く受け継いでおり名物料理を食べることもできます。

旧市街の細い路地を歩くとフランスというよりもスペインの趣を感じることができます。


そんなピレネーオリアンタル県と提携しているのは和歌山県です。

きっかけはまず和歌山県知事がピレネーオリアンタル県を訪問した際に議員より提携の話が出たところから始まります。

その後双方に視察団が訪問するもなかなか知事同士が会う機会はありませんでした。

そして1993年にピレネーオリアンタル県知事が和歌山県に来たことでようやく知事同士の会談を行うことができ、その年の秋に提携を結びました。

その後も商店街同士で友好提携を結んだり、400人もの中学生が訪仏をしたり、提携記念ワインを作るなどの交流を行ってきました。

⑧オクシタニー州

最後は県よりも大きな州です。

先ほど紹介したピレネーオリアンタル県もここに含まれており、他にも「バラ色の町」と呼ばれ航空宇宙工学においてヨーロッパでも有名なトゥールーズ、ヨーロッパ最大級の大聖堂があるアルビ、世界遺産に登録されている要塞都市カルカソンヌ、学生として人気が高いモンペリエなど観光でも人気が高い都市が多数含まれています。


そんなオクシタニー州と提携を結んでいるのは愛知県と京都府です。

なんと二つの都道府県が提携を結んでいました。

愛知県は2018年に提携と比較的新しいです。

きっかけは県知事が2016年にトゥールーズのエアバス本社を訪問した際に議員と会談したことがきっかけでした。

双方、トゥールーズは航空機、愛知県は自動車と工業だけでなく農業も発展しているという産業面での共通点があることからお互いに交流を深め互いの産業を発展することを目的に愛知県名古屋市にて提携式を行いました。

京都府はフランス総領事館の移転のタイミングで大学や研究機関、文化遺産など共通点を多く持つことからモンペリエのあるラングドック・ルシヨン州と交流を持つようになります。

その後お互いに視察を行い、2015年に提携を結びました。

その後フランスの州再編によりラングドック・ルシアン州はミディ・ピレネー州と合併してオクシタニー州となったことから結果的にオクシタニー州と姉妹都市になりました。

まとめ

今回は市、県だけでなくついに州までも出てきました。

きっかけも産業や地理的共通点があることから結んだ定番のパターンもありましたが、ポーのように熱烈なアピールがあった場合や周囲の提言、個人の寄贈など様々なきっかけがありました。

個人的には提携先にホームステイできるのはやはりうらやましいと思います。

姉妹都市を紹介する記事は一旦これで終わりますが、今後も姉妹都市提携を結ぶ都市は増えていくかと思います。

次はあなたがお住まいの都市が提携を結ぶかもしれませんね。

それでは(^^)/~~~

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